YouTubeとニコニコの収益化(広告収入)について比較

最終更新:2019/1/11

本記事では、日本で特に有名な動画投稿サイト「YouTube」と「ニコニコ動画」で動画を投稿して収益化する際についての比較をしています。ざっくりとした説明になるので、詳細はリンクなどをご覧ください。

※本記事の情報は、記事更新時点(2019年1月11日)のものであり、現在は異なる場合があるため注意してください。

簡易比較表

まずは、要点だけまとめた簡易比較表を見てみましょう。投稿動画による収益化を対象としています。

項目
利用するプログラムYouTubeパートナープログラムクリエイター奨励プログラム
月額費用無料
※有料プログラムもあるが、必要性は薄い
550円(税込)/月
※正確には必須じゃないけど、無いと凄く不便
収益金額(推定・目安)
0.1円~1円/1再生
0.3円前後/1再生
利用資格の要件
チャンネル登録者1,000人以上
過去12か月の総再生時間4,000時間以上
特に無し
※内容によっては不可能な場合あり
視聴者非常に多い少ない(減少傾向)
投稿者非常に多い少ない(減少傾向)

資格以外はYouTubeが有利

資格要件の厳しさ以外は明らかにYouTubeの方が良いです。特に、有料会員費ユーザー数と将来性的にもニコニコは厳しいと言わざるを得ないと思います。

収益化について、この後もう少し詳しく見ていきたいと思います。

YouTube

YouTubeで広告収入を得るには「YouTubeパートナープログラム(YPP)」というプログラムを利用します。

Youtubeパートナープログラム(YPP)

利用資格

YouTubeパートナープログラムを利用するには利用資格が必要となります。審査を受け、資格を満たしていれば該当チャンネルで利用資格が得られますが、条件は新規の人にとってはかなり厳しめです。主なものは「チャンネル登録者1,000人以上」「過去12か月の投稿動画の総再生時間4,000時間以上」の二つです。
YouTubeパートーナープログラムを利用すると、Googleが提供するオンライン広告システム「Google AdSense」の広告を動画内などに表示する事が出来る様になります。そして、動画再生され広告が表示されると収益になります。

収益について

収益の金額はおおよそ1再生あたり0.1円程度と一般的に言われていますが、これはあくまで目安です。収益の金額は、再生される広告の単価や種類、実際に表示・再生された時間などによって異なるため、バラつきがあります。得た収益は、残高が8,000円以上となった場合に受け取る事が出来ます。

メリット・デメリット

Youtubeで収益化を狙う際のメリット・デメリットについて、ざっくりと説明しています。

良いところ

  • ユーザー数が非常に多い(将来性がある)
    動画を多くの人に観て貰えた方が広告収入は当然多くなりますし、モチベーションアップにも繋がります。ユーザーの多さは動画サイトにおいて最重要項目と言って良いと思います。
  • 無料でも不便なく利用できる
    YouTubeは、有料会員などにならなくても特に不便なくほぼ全てのサービスを活用できます。ニコニコでは有料会員じゃないと不便な事が多いです。

悪いところ

  • 収益化の資格取得条件が厳しい(特にチャンネル登録者1,000人)
    条件の中の「チャンネル登録者1,000人以上」というのが、新規には中々厳しいです。
  • 新規投稿者の作品は目につきにくい
    YouTubeでは、新規投稿動画を表示するページがありません。検索以外では、履歴等から分析したおすすめ動画がメインで表示されます。
  • 再生数あたりの収益額は少なめ(バラつきはある)
    動画やチャンネル、広告の種類等によってバラつきはありますが、再生数あたりの収益額は多い方ではないと思います。ただし、ユーザー数の圧倒的多さでカバーできるので、あまり気にする必要はありません。
  • UIやコメント機能が微妙
    正直、YouTubeの全体的なシステムは微妙に感じます。検索結果は縦一列でしか表示できず視認性は悪いですし、ランキングはかなり簡素な急上昇ランキングしかないです。他にも気になる点が結構あります。

「人の多さ」という圧倒的強みがあるが、弱みは意外と多い

YouTubeの強みは「人の多さ」です。稼ぐのが目的にしろそうでないにしろ、動画投稿者が最も求めているのは「動画を多くの人に観て貰う事」なので、この点はめちゃくちゃ大きいです。

ただし、YouTubeは弱点も意外と多いです。特に、UI(ユーザーインターフェース)は微妙と感じる部分が多々あります。検索結果が見難かったり、ランキングも簡素なものしかなかったり、動画じゃないですが、ライブ配信画面もコメントと同時に見難いです。

とはいえ、「人の多さ」という圧倒的強みがあるので、利用を渋る理由にはなりません。唯一無二の強さです。

ニコニコ動画

ニコニコ動画での動画による広告収入を得る際は「クリエイター奨励プログラム(通称:クリ奨)」というプログラムを利用します。

クリエイター奨励プログラム

利用資格

利用に必要な条件等はありません。YouTubeのようにチャンネル(ユーザー)自体に収益資格がある訳ではなく、動画毎に収益化の設定をする形となっています。

収益について

クリエイター奨励プログラムは、該当作品をプログラムへ登録する事で、その作品の人気度に応じてクリエイター奨励スコアというものが付与され、それを現金化する事が出来るというシステムとなっています。クリエイター奨励スコアは10,000点から1点=1円で現金化する事が可能となっています。

収益の金額は、2014年の総支払額と登録作品の再生数からの算出では、動画だと1再生あたり0.3円程度だったと言われています。スコアの算出は、動画の再生数・コメント数・マイリスト数が主に関わっているといわれていますが、具体的な算出方法は公開されていません。バラつきはあるかと思いますが、平均額はYotubeよりも多いと言われているようです。ただ、クリエイター奨励プログラムの原資は、プレミアム会員収入の一部から出でるものらしいので、会員減少傾向にある今はもっと少なくなっている可能性も高いです。留意しておきましょう。

メリット・デメリット

ニコニコで収益化を狙う際のメリット・デメリットをざっくりと説明しています。

良いところ

  • 流れるコメント機能
    ニコニコの唯一の機能にして最大の強みです。これは本当に素晴らしいです。動画の視認性をほとんど落とす事なく、コメントも同時に見る事ができます。
  • 新規投稿された作品も目につきやすい
    ニコニコは新着動画も表示されますし、ジャンルも細かく分けられており、更にジャンル毎のランキングも結構な数を表示されます。新規の人でも、興味深く面白い動画を投稿すれば、再生数は伸びやすいです。
  • 収益化利用に厳しい条件がない
    ニコニコの収益化は厳しい条件はありません。著作権等は要確認ですが、審査はありません。新規には厳しい資格要件のあるYouTubeとの最も明確な違いです。
  • 再生数あたりの収益額がYouTubeの平均より高かった(2014年時点)
    結構過去のデータですが、1再生あたりの収益額はYouTubeの平均推定額よりも少しだけ高かったようです。
  • 【生放送】ラグが小さい
    動画ではなく生放送ですが、コメントも含めラグが小さいです。他の生配信サイトでも「超低遅延モード」などでラグが小さくしたりする事はできますが、視聴が不安定になったりする事が多いです。ニコニコでは安定してラグの小さい放送ができるので、そこは魅力的です。流れるコメントとの相性も良いです。

悪いところ

  • ユーザー数が少ない(しかも減少傾向)
    ニコニコはユーザー数の減少が著しく、現在のユーザー数はYouTubeと比べると圧倒的に少ないです。動画サイトとしてはかなり致命的です。これのせいでもうどうしようもないと言われたりしています。
  • 無料会員はいろいろ不便(基本低画質,読み込み遅い,シークバー利用制限 等)
    ニコニコは無料で利用する事も可能ですが、有料会員でないと正直かなり不便です。生放送に至っては「追い出し」というシステムがあり、無料会員は人気の放送はまともに観る事が不可能なレベルだったりします。

致命的な欠点はあるが、良い点も多い

「人の少なさ」「有料会員じゃないと快適に利用できない」という致命的な欠点はあるものの、そこに目を瞑れば意外と悪くなく、良い点も多いです。特に、流れるコメントは秀逸です。他にも、動画の探し易さや視認性は凄く良いと思いますし、視聴する側への配慮を大きく感じます(有料会員費を除けば)。

ただし、投稿者(配信者)側からすると、結局人が少ないと収益も少ないですし、再生数が少ないとモチベーション上がりません。良い動画や配信を作るにはそれなりの時間や労力も掛かりますから、「報酬をたくさん貰いたい」「多くの人に観て貰いたい」という思考になるのは自然な流れで、結果YouTubeに人が流れていった結果となっています。

結局利用するならどっちが良い?

結局、自分が動画投稿で収益を得るにはどっちが良いの?という話です。

新規で始めるならニコニコも悪くない

新規に動画投稿を始めるのであれば「ニコニコ動画」も悪くないと思います。「YouTube」のユーザー数の圧倒的な多さは魅力的ですが、新規投稿者の作品は、表示すらほとんどされないレベルです。どんなに良いコンテンツを作っても誰の目にも留まらず埋もれるだけになる可能性もあります。

その点「ニコニコ動画」は新着動画も表示されますし、細かくジャンルが分けられたランキングもあるので、一度視聴者を獲得すれば軌道にも乗り易いです。ユーザー数が少ない点も悪いことばかりでなく、新規投稿作品でも目につきやすくなっており、観てくれる人が意外と居るという事に繋がったりします。まずはニコニコで活動を始めてみて、そこで莫大な人気が獲得出来ればそのまま「ニコニコ動画」で活動を続けて良いですし、ある程度人気を獲得した後に「YouTube」等の別サイトに移行するという形でも良いと思います。

最終的にはYouTubeが安定

やはり人の多さが圧倒的に違うので、最終的にはYouTubeに落ち着くのが投稿者としては安定かと思います。ただし、新規投稿者の新着動画はほとんど表示されず、現在では視聴者も観るチャンネルをほぼ固定してしまっているという事もあるので、0から始めるには中々厳しい道のりになると思います。ニコニコでも他のサイトやSNSでも良いので、どこかである程度人気を獲得してからの参入しないと厳しいというのは留意しておいた方が良いです。


それでは記事はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。

9 COMMENTS

YouTubeの投稿側のデメリットとして「低評価ボタン」があると思っています。
あれ押されると著しくモチベ下がるから……

ただ、あのボタンの存在のおかげで全体的な動画の質が向上している気がするので、視聴側としてはメリットかも

返信する

役に立ちました❕
悩んだ結果YOUTUBEから始めてみることにしました。
ありがとうございます

返信する

ニコ生ユーザーが「多く」見積もって日本の人口の1/5 2400万人として
youtubeユーザーは「少なく」見積もって世界の人口の1/5 19億人
世界にバズるコンテンツ持っていたら収入はアリと象の差になる

勝負にすらならんよ

返信する
名無し

いやYou Tubeで出しても日本語の動画なら結局ほぼほぼ日本人しか見ないのだから全世界のユーザー数はそこまで意味ない

返信する

著作権関連で使える音楽素材がニコニコには多いというメリットがあることも書いてほしかった。
それと収益化できなかった場合のアフターケアはニコニコのほうが圧倒的に手厚い。YouTubeはなにが悪いのかは一切教えてもらえず、突然収益の効率が落ちたりするので安定しない(同じ再生数を出しても倍近く違う月もあった)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です